頭痛の治療と対策
医学において現在治療法が見つかっている病気は、その病気や症状の原因がはっきりしているものが殆どです。先の原因のところで、「防御反応としての頭痛」で取り上げたものでは、頸より上にある各部分の炎症や、正常ではない状態を治療すれば、頭痛は自然に消えていきます。
ただ、片頭痛や群発頭痛では、原因がいまだにはっきりしない部分が多いので、出てくる症状に対して、あるいは症状をひき起こす理由に対して、飲み薬が処方されているのが現状です。最近、特に大きな病院では、頭痛の専門外来を設けている病院があったり、頭痛を専門で治療する医師がいたりします。頭や顔周辺にある関節や筋肉以外で痛みを感じた場合、原因がはっきりとしない頭痛を感じた場合は、一般の内科、あるいは神経内科を受診するとよいでしょう。
緊急性の高い頭痛
頭痛とともに、どちらか片側、もしくは両側の手足が痺れや動きの鈍さ、意識障害に陥ったりした場合は、脳の中で異常が起こっている場合があります。できるだけ早く脳神経外科を受診することを、お勧めします。
片頭痛
内服薬(飲み薬)や注射による治療が一般的です。血管の急激な拡張が痛みの原因になっているため、血管を細くするような、血管を拡げないような薬を使用します。また、純酸素を15分程度吸入すると痛みが軽くなるとも言われていますが、今のところ実証はされていません。
緊張型頭痛
片頭痛同様、内服薬での治療が主体です。ただ、痛みの原因が筋肉である場合が多いので、マッサージや鍼治療、低周波電流で神経を刺激する治療なども効果があるようです。また、特別な機器を使用して、自分の体の筋肉の緊張を、自分でコントロールする方法を学習する治療法(バイオフィードバック療法)も、積極的に用いられています。
群発頭痛
痛みの起こる原因、メカニズムが解明されていないので、治療法も見つかってはいません。一部の内服薬は効果があるといわれていますが、まだ立証はされていないようです。